ガス漏れ点検で指差し確認! 安全確保でお客様に安心を届けたい
東京ガス株式会社様は日本最大のガス会社で、指差呼称を積極的に推進しています。
東京ガス様では指差呼称や指差喚呼という用語は社内で伝わりにくいと考え、耳馴染みがいい「指差し確認」を使っています。以後、指差し確認と表記します。
指差し確認を全社的に推奨しはじめたのは2014年、しかし形骸化が見られたため「指差喚呼効果体感ソフト」を導入し、その他さまざまな取り組みにより指差し確認の定着を達成しています。
導入の経緯、活用方法、得られている成果について、リビング営業部の茂木茂紀氏にお話しを伺いました。
従業員数(連結):約1万7千人
購入本数 :44本
目次
1.東京ガスでは修理後の点検などで指差し確認をしています
Q:指差し確認をする場面についてお教えください
主に、お客様のご自宅にお伺いして、ガス器具の修理を行ったり、法に定められた点検をしたりする場面です。
修理の場面では、修理後にガス漏れがないか、不完全燃焼で一酸化炭素が出ていないかを確認することが重要です。その際に指差し確認をして安全を確保し、お客さまに安心していただくよう実施しています。
Q:指差し確認はいつごろから始められましたか
1980年頃から会社の一部で行われていて、会社として励行することを明文化したのが2014年頃です。
当時、私はライフバル推進部 首都圏西機器メンテナンスグループのマネージャーをしていました。明文化といっても最初は具体的な作業を指示したり、効果をうたったりすることなく、漠然と指差し確認をしましょうという程度でした。そのため「こちらから言っただけではやっていくれないな」「やってくれたとしても単純にただ形だけになっているな」と感じました。
そこで対策を探そうと、指差し確認なら「JR」だろうと思い、ネットで調べはじめました。すると、公益財団法人鉄道総合技術研究所が開発した「指差喚呼効果体感ソフト」のことを知り、販売元である株式会社テスに連絡しました。
最初はお電話で、後にはデモしていただき、「鉄道総研が開発したものなら間違いない」と購入しました。
2.2,000名を対象に指差し確認研修を実施、以後は年に数十人程度の新人研修で使用
Q:指差喚呼効果体感ソフトをどのような場面で使用されましたか?
最初に、鉄道総研から講師をお呼びして、研修の講師を対象にレクチャーをしてもらいました。
そして、2つの会場を使い、各室10名くらいを対象に毎日研修をしました。1年で約1000名に「指差喚呼効果体感ソフト」を体験してもらいました。
研修は半日で、ソフトに入っている5つすべての課題を行いました。
テス)5つの課題を一度に行うと、受講生の疲労が心配です。一度の研修では2 課題に抑えることを推奨しています。
そしてグループになって、「自分の業務に落とし込んだ時にどのようなリスクが考えられるか」「自分の生活の中で考えた時にどんなリスクが考えられるか」というように自分事に落とし込んでもらい、リスクを減らすためには、どのタイミングで何に対して指差し確認すべきかを話し合ってもらいました。
最後には 誓約という形で、「私は明日からこういうことをやります」というような、宣言をしていただきました。
2年目は法定点検をするメンバー約1000名を対象に同じように研修をしました。
それ以後は、新しく入ってきたメンバーを対象に、年に数十名程度の研修を行っています。
Q:受講者の感想などお聞かせください
課題はものすごく真剣に取り組んでいますし、受講者はみんな同じ作業をしていますので、どのような場面で指差し確認をすべきかなどの話し合いもよくできている印象です。
各課題の結果がパソコンに表示されるのですが、その際には「ぅおー、違うんだー!」って声が上がりますね。「なるほど、確かに指差し確認するとエラーは減るんだ!」ということだと思います。
図1 指差しあり/なしによるエラー率の比較(課題結果のイメージ)
指差し確認というのは現場で行っても、それによって何が変わったかが分からないじゃないですか。それが、分かりやすくデータとして出てくるので、みんな「なるほどね」となるのでしょう。
3.各課題の印象を正直に話します
Q:5つの課題の中で、よい課題、よくない課題はありましたか
点数え課題やじゃんけん課題はみなさん楽しく集中して出来たという印象でした。
しかし、色記憶課題は難しすぎて、声を出して課題をやってもエラーが減るように感じられないものでした。
あとは秒針の課題、時計課題ですが、あれは何しろ疲労感がすごい。ちょっと長すぎるのでないかと思います。でも、指差し確認の効果については、それなりに感じられる課題だと思います。
残りは瞬時判断課題ですが、あれもそんなに悪くはないって言ったら失礼ですけれども、まぁ中間ぐらいではないでしょうか。
Q:指差し確認は定着できましたか?
今は、定着できていると思っています。
我々はお客様のご自宅での作業が多くなりますので、お客様が「指さし確認する様子を見ていて安心感を持った」などの投稿を頂いたケースもあります。
ただ、定着はこのソフトの研修だけの効果とは言えなくて、年間を通して様々な取り組みをした結果だと思います。
たとえば、ガス機器の修理のハンドブックの中で、どういう場面で指差し確認をやるかを示して指導しています。
また、毎年4月は意識を高める高揚期間、11月は強調月間として、指差し確認を推奨し、意識付ける活動をしています。
写真のようなリストバンドを配って、意識づけもしています。
4.今後は、他の研修場面でも使う計画をしています
Q:今後検討したいことをお教えください
コロナ禍で集合教育をオンライン化したいのですが、「指差喚呼効果体感ソフト」が使えるといいなと思っています。
テス)ソフトを社員所有のパソコンにインストールして、オンライン研修する方法がよいのではないでしょうか 。
また、今私は所属している部署は、新しい機器が入ったときにそのメンテナンスについて学ぶための研修施設なのですが、ここの研修でも「指差喚呼効果体感ソフト」を使う計画をしています。
Q:最後に、本ソフトを他社に勧めるとしたら、どの点が長所でしょうか
やっぱり体感できるということですね、指差し確認がエラーを減らす効果があることを体感できるというのが大きいです。
おそらく、鉄道総研も開発するのに「体感できないとだめだよね」って意図が、たぶんあったと思うんです。「あーそうか、やっぱり変わるんだね」っていうのを体感できるっていうのは非常に大きいですね。
テス)貴重なお話ありがとうございました。指差喚呼効果体感ソフトの活用場面をさらに広げ、有効に活用いただければ幸いです 。
指差呼称の定着のために
東京ガス茂木氏からは、指差呼称の定着に向けてエラー防止効果があることを社員に体感させることが重要で、「指差喚呼効果体感ソフト」の長所だという意見が得られました。
是非多くの会社でご利用いただければ幸いです。
公益財団法人鉄道総合技術研究所が開発した「指差喚呼効果体感ソフト(シムエラー)」は、指差喚呼(指差呼称)の5つのエラー防止効果を実際に体感し、その重要性について理解を深めるための教材です。
下記より詳細資料を入手可能です。
商品デモ等の問い合わせもお待ちしています。